子どものなにげない行動に、 視力低下のサインが隠れているかも!

子どもの視力低下って、どう気づけばいいの?

「視力の低下」は、風邪やケガと違って、毎日子どもと過ごしている親でもなかなか気づけないもの。
学校では年1・2回、視力検査が行われていますが、次の検査までのわずかな期間にも、急に視力が低下してしまうことがあります。
だからこそ、日頃から子どもの目の異変に気づく方法があれば、お父さん、お母さんとしても安心できますよね。

その仕草、「見えにくい」ことが原因なのかも!

子どもの視力不良の原因は、乳幼児期は遠視・乱視が多いのですが、小学校からは近視が増えていきます。
2005年に日本学校保健会が東京都内の小学校・中学校・高等学校で行った、裸眼視力「1.0未満」の子ども(7,466名)の屈折検査(※)の結果を見てみましょう。
※屈折検査……屈折異常の種類(遠視・近視・乱視)が分かる検査のこと。

裸眼視力「1.0未満」に占める近視の割合

(所敬『所教授の眼科レッスン』(自由企画出版)p.64より作図)
検査結果から、近視の子どもは年齢と共に増加していることが分かりますよね。
このように、年齢とともに増加する近視の原因は、主に「環境」によるもの。
具体的には、TV・ゲーム・本や雑誌など、近くを長時間見続けることで、目の水晶体が膨らんだまま元に戻らなくなり、近視になると考えられています。
こういった環境が原因の近視なら、予防することが可能です。
まずは、子どもが発する“視力不良のサイン”を、正しく受け止めましょう。

・ TVや本・ノートに著しく目を近づける
・ 目を細めて見る
・ 根気がない
・ 集中力がない
・ あごを上げて見る
・ 横目で見る
・ つまずきやすい
・ 目をこすったり、瞬きを繰り返す
・ まぶしがる
・ 頭痛を訴える

こういった行動は、視力低下のサインかもしれません。

「見えにくいのかしら…」と思ったら、確認を!

このような仕草や行動は、子どもにはよくあることですが、見逃さないように注意。
最近の調査によると、目のピントを合わせる筋肉が過度に緊張した状態=「調節緊張」の状態で過ごしている子どもは、約半数もいることが分かってきたのです。こういった子どもたちは、調節機能不良のために、視力が不安定で「見えたり」「見えなかったり」します。
さらに、幼児期に発見できなかった弱度遠視のせいで「見えにくい」可能性もあるのです。
まずは、気になる仕草が本当に視力低下のサインなのかを確認してみましょう。

・ ① 本や雑誌を読ませる(両眼・右眼・左眼)
・ ② 離れた壁のカレンダーやポスターを読ませる(両眼・右眼・左眼)
・ ③ 保健室で視力検査を受ける(両眼・右眼・左眼)

これらを試して「ハッキリ見えない」ことが分かれば、眼科医院を受診して、視力低下の原因を探っていきましょう。
真性近視に移行していない偽近視(仮性近視)なら点眼薬で治すことが可能ですし、程度の軽い近視なら進行する前に予防策をとったり、調節機能不良なら「眼のトレーニング」などで治療したりすることができます。
子どもが発する視力不良のサインに早めに気づき、対策をとる。親が子どもの目に気を配ることが、我が子の将来の可能性を守ることにもつながっていくのです。

出典:髙橋ひとみ著『子どもの近見視力不良 黒板は見えても教科書が見えない子どもたち』

監修

髙橋ひとみさん
桃山学院大学名誉教授。高知大学教育学部卒。2007年度東京大学大学院教育学研究科衛藤隆研究室私学研修員。2012年度金沢大学医薬保健研究域医学系藤原勝夫研究室私学研修員。専門は健康教育学分野で、長年近見視力をテーマにした研究に取り組んでいる。2015年、『「たべたのだあれ」視力検査キット』(フレーベル館)を考案し「第9回キッズデザイン賞」および2015年経済産業大臣賞を受賞。情報番組『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)でも紹介された。主な著書には『子どもの近見視力不良』(農文協)『3歳からできる視力検査』(自由企画社)『たべたのだれかな』(自由企画社)などがある。